台湾の最大手民間銀行、中国信託商業銀行が6月に買収した東京スター銀行の江丙坤(こうへいこん)会長(81)は20日、産経新聞のインタビューに応じ、台湾の富裕層が日本の不動産を購入する際、スター銀の低金利住宅ローンを使えるよう検討していることを明らかにした。台湾マネーを呼び込み、外国銀行による初の邦銀買収の成果を高めたい考えだ。
台湾では住宅価格が高騰しているのに対し、日本の不動産は過去約20年間、価格がほぼ安定している。江会長は「円安効果もあり、台湾富裕層の間では、日本の不動産投資熱が高まっている」と打ち明ける。
とくに、2020年五輪を控えて東京都心部の高層マンション人気が高く、「投資用だけでなく、日本滞在中の別宅用として考えているようだ」と説明する。日銀の大規模金融緩和で邦銀の住宅ローンが低金利なことも台湾マネーを呼び込みやすくしている。
スター銀は平成11年に破綻した東京相和銀行が前身で取引先には中小企業が多く、預金残高は約2兆円。中国信託は アジアを中心に12カ国・地域に支店網を持つ。