■ユーザー過半25歳未満、女性7割が強み
写真と動画の送受信用メッセージアプリを運営する米企業、Snapchat(スナップチャット)が30億ドル(当時の為替レートで約3053億円)の買収提案を蹴ったという話題は既にこのコラムでも取り上げた。
ビジネスを軌道に乗せ、少し成功しさえすれば、企業評価額は簡単にその倍になるだろうと私は予想した。それから11カ月。スナップチャットの快進撃は、私が考えていたよりもさらに上を行く。
◆評価額100億ドル推定
最新の資金調達ラウンドで、スナップチャットの評価額は100億ドルに達したと言われている。そのうえ、成長の余地はまだある。スナップチャットは25歳未満の若者ユーザーたちの関心をがっちりつかみ続け、新たに広告プラットホームを立ち上げた。広告主には名の知れた企業がずらりと並ぶ。
複数の買収提案を断ったスナップチャットは昨年、「スナップチャット・ストーリーズ」という機能を発表した。通常アプリ内で送信する写真は「スナップ」と呼ばれ、10秒以内の閲覧可能時間を設定して送信するため、その時間を過ぎれば閲覧することができなくなる。
これに対して、ストーリーズを利用すれば、ユーザーはアプリ内で複数の写真を公開することができ、「ストーリー」として追加された写真は24時間閲覧可能となる。
1日だけ閲覧できるニュースフィードのようなイメージだ。若者ユーザーは、ばか騒ぎや冗談交じりのコンテンツが5年後に検索されてしまう恐れを感じることなく、自由に写真を共有できる。しかし、それだけではない。ストーリーズ機能はそんな若者たちにとってよりも、企業にとってずっと重要な意味を持つ。