実績も上げつつある。今年7月には中国企業が初めて海外で建設を請け負ったトルコのアンカラとイスタンブールを結ぶ高速鉄道の第2期工事分の区間が開通した。さらにルーマニア、ハンガリー、マケドニアとの間で高速鉄道をめぐる協力や事業への参画、車両の納入などに取り組んでおり、人民網日本語版によれば「南米、サウジアラビア、ロシアなどで高速鉄道プロジェクトに参与し、入札参加を計画している」という。
インドの高速鉄道計画をめぐり、中国側は費用の全額を負担して新たな事業化調査を乗り出す構えと伝えられている。さらに高速鉄道の運行技術をはじめ、車両製造、鉄道システムの整備に関するノウハウを移転する「鉄道大学」をインドに設置するという。しかも、国内の製造業振興を目指すモディ首相の方針を踏まえ、将来的には鉄道関連の製造・開発拠点を現地化することも中国はパッケージとして示す考えのようだ。
切り札はメンテナンス
事業化調査で日本が中国に先行した有利さは「もはや絶対ではなくなっている」(業界関係者)。それでも、JR東日本の冨田社長は受注に自信をみせる。「日本の新幹線は30年、40年使う間のメンテナンスを含めると決して高くない」と反論。