単価は1万~10万円台まで幅広く、売れ筋は2万円台となっている。現在は、4万円以上の高級IH炊飯器が増えている。「最近はおいしいお米を食べたいという要求が高く、買い替えも必ず前のものより高い炊飯器を買う傾向にある」(加古さん)という。このため毎年単価が上昇している。
炊飯器メーカーは、顧客の高級志向を受け、高級IH炊飯器を相次いで投入しており、開発・販売競争が過熱している。コメを食べるアジアでも、日本の高級IH炊飯器のニーズが年々高まっている。
◇
≪FROM WRITER≫
白物家電の販売が伸び悩む中で、高級炊飯器が気を吐いている。10万円以上出して購入する消費者がいることに対し、最初は理解できなかった。
だが、実際に高級炊飯器と値段の安い炊飯器のご飯を食べ比べてみて、味の違いは明らかだった。コメの芯まで加熱し、高温スチームでうまみを閉じ込めたご飯は、ふっくらと甘みがあり、おいしかった。
この高級炊飯器が生まれるまでには、ライスレディの絶え間ない努力と、多機能化を支える設計チームの日々の格闘があることを今回の取材で知った。おいしいコメを求める日本人の食へのこだわりが高品質な炊飯器を開発する土壌を作り出しているという印象を受けた。(黄金崎元)
◇