トヨタ自動車は5日、円安による為替差益の拡大やコスト削減などを理由に2015年3月期の連結最終利益予想を従来に比べ2200億円上積みし、初の2兆円とした。収益力回復が鮮明になったことを受け、独フォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)との「新ビッグ3」競争で、世界販売1000万台の実現に次ぐ新たな成長戦略への決断を求められている。安易な生産拡大を戒め、13年度から3年間凍結している工場新設の解禁を求める動きが出てきそうだ。
為替差益が拡大
トヨタの発表によると、通期の想定為替レートを1ドル=101円から104円に見直した結果、本業のもうけを示す営業利益ベースで1350億円の為替差益が出たほか、コスト削減などの原価改善で利益を500億円上積みした。この結果、減益が予想されていた同期の最終利益は一転、前期比9.7%の増益となる見通し。
一方、販売面では消費税増税の影響が長期化している国内市場などが下ぶれし、ダイハツ工業と日野自動車を含む今期のグループ世界販売計画は小売りベースで従来の1025万台を1010万台に見直した。