FCV普及のハードルは価格だ。高価なプラチナを使う燃料電池の製造にはコストがかかり、販売価格は700万円程度。政府は約200万円の補助金を出す方針だが、一般の消費者には手が届きにくい。ホンダが発売時期を遅らせたように、安全や品質を維持しながら量産するのも難しい。
デロイトトーマツコンサルティングの予測では、FCVの国内販売は2020年に約5万台、25年に約20万台、30年に約40万台になる見込み。ホンダの伊東社長は「30年ぐらいにいっぱい走っている姿にできればいい」と打ち明ける。
水素供給インフラの整備など、官民一体となって持続的に普及に取り組んでいけるかがカギを握る。
(田村龍彦)