【知恵の経営】店の棚を“クジラの池”に (2/2ページ)

2014.12.17 05:00

 ところが、1社当たりの売上高が年間3億円、全体が10億円を超えると、売り上げの成長が止まった。製品が大手小売店3社内でフロア担当者に決定権のある棚をほぼ占拠し、限界に達してしまったからだ。

 そこで松山社長は、この壁を突破しようと、2000年、新たに開発した自社製品を直営店舗で販売する、製販一体の新事業「MARKS&WEB」を立ち上げた。

 通常、店舗コストはそれなりに大きいが、松山社長は立地の良い駅ビルなどで、デッドスペースになっている極小スペースを見つけ、そこに商品を陳列する小さな棚である三連什器(じゅうき)を設置した直営店をスタートさせた。

 店舗や広告宣伝のコストを徹底削減し、良い原材料を使った製品を驚くほど良心的な低価格で提供したため、ここでも「こんなにいいものが、こんなに安く?!」という顧客価値を生み出すことができた。

 昨今、女性の趣味や嗜好(しこう)、ライフスタイル、価値観などは日々変化し、多様化してきている。そうした中、松山社長は「“シンプルさ”を好む少数派の女性のWASH&CARE」という「池」に絞り込み、“本当に良いもの”にこだわり、いらないものをそぎ落とす製品展開をすると決めた。

 そして、いまや、この少し大きめの「池のクジラ」になりつつある。

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【会社概要】アタックスグループ

 顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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