■生活習慣病予防へ血圧、コレステロール値改善
食生活の変化などに伴って、現代人に増加しているのが生活習慣病だ。増え続ける医療費を抑制するうえでも、生活習慣病の予防は、日本にとって最重要課題ともいえる。そうした中、愛知県蒲郡市と愛知学院大学、大手食品メーカーの明治は、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが、血圧低下やコレステロール値の改善などに効果があることを市民の協力を得て実証し、中間報告として発表した。こうした大規模な実証研究は世界的にも珍しく、医療や介護などの分野から注目を集めることになりそうだ。
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■蒲郡市、愛知学院大、明治が大規模研究
この実証研究は愛知学院大学心身科学部の大澤俊彦教授が中心となり、周辺市町村を含む蒲郡市民347人(45~69歳の男女)が参加し、約1カ月間(4週間)にわたって実施した。具体的にはカカオポリフェノールが多く含まれる(含有量70%以上)チョコレートを参加者に毎日25グラム食べてもらい、血圧やLDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロールなどがどう変化するかを調べた。
血圧に関しては被験者を高血圧群と正常血圧群に分けて変化を検証したところ、チョコレート摂取後には血圧が明らかに低下することが確認できた。例えば摂取前の被験者全体の最高血圧平均値が125.3ミリHg、最低血圧平均値が78.8ミリHgだったのに対し、1カ月後の摂取後には、それぞれ122.7ミリHg、76.9ミリHgに低下。なかでも血圧が高めの人の方が、正常な血圧の人よりも血圧が低下することが判明した。