自動車関連企業の労働組合でつくる自動車総連(相原康伸会長)は19日、平成27年春闘で、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善について、月6千円以上を統一要求する基本方針を発表した。ベア要求は2年連続で、比較可能な12年以降で過去最高の要求額。来年1月中旬の中央委員会で提案し、正式決定する。
自動車総連は、自動車メーカーや部品メーカーなど1092の組合が加盟し、組合員は約76万5千人に上る。年間一時金(ボーナス)は5カ月を基準とし、最低でも前年実績を上回ることを求めた。
自動車業界は北米販売の増加や円安で好業績の企業が多い。物価は上昇傾向にあり、上部団体の全日本金属産業労働組合協議会(金属労協)が6000円以上のベア要求を決めたことなども踏まえ、自動車総連も足並みを揃えた。
自動車総連は26年春闘で5年ぶりにベアを要求したが、具体的な要求額は示さなかった。金額を示したのは加盟する組合間の格差を是正する狙いがある。
記者会見した相原会長は「デフレを脱却し、持続ある成長に向け、全力で取り組みたい。自動車総連全体として交渉に臨むことがよりよい結果に結びつく」と強調した。非正規の賃金改善にも取り組む。