■リニア中央新幹線駅で地域を活性化
--リニア中央新幹線の駅が飯田市に設置される
「2027年の開通でJR品川駅と40分、名古屋駅とは20分で結ばれ、飯田市が通勤圏になる。良いシナリオは自然豊かな飯田市に移住して東京に通勤する人が増えるか、飯田市に研究開発などのオフィスができて、そこで働いて必要なときだけ東京本社に出向くような人が増えることだ。悪いシナリオは、東京まで買い物に行く人が増え、飯田市で購買する人が減ることなどだろう」
--飯田市では若者の人口が減少している
「当金庫の営業エリアで高校を卒業する人は毎年1600人から1700人。市内には女子短期大学が1つあるだけなので、このうち約1000人は進学で飯田市から転出する。4、5年後に飯田市に戻ってくるのは2~3割で、年に700人以上の若者が都市部に流出している」
--地域経済の活性化策は
「広大な土地はなく、大規模な事業所は誘致できないが、研究開発など頭脳集約的な部門は誘致できる。環境が良く医療機関や高齢者の健康施設に絶好の場所だ。新たな産業の柱として期待するのが航空宇宙産業。飯田市を含む長野県南信州エリアが『アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区』に今年から参画した。当金庫では豊富な実務経験を持つ民間企業出身者を採用し、地元経営者に助言する『事業アドバイザー制度』を導入した。実務に即したアドバイスが得られると評判は高い」