スポーツ用品メーカーのタチカラホールディングス(東京都台東区)は、業界で初となる天然皮革ボールの表面に自在なデザインを施す技術を開発。第1弾としてバスケットボールを発売した。
従来の製法では、皮革メーカーによって素材となる天然皮革をなめし、染色などの下処理をすませた上で、全面に凹凸のエンボス加工を施した状態でボール製造工場へと提供されていた。このため革の表面は既に凹凸がついているため、ボール製造工場では平面での印刷ができず、多くは転写方法が採用されてきた。ロゴなど印刷するもようも、鮮明さや精度が十分ではなく、色彩などは単純なものが一般的であり、サイズも制約を受けていた。
一方、新製法では天然皮革の表面に、独自の印刷方法でデザインを表現したあと、凹凸のエンボス加工を施す。このため多種多様な色彩を用いたもようを高精度で繊細に、全面に施すことが可能となった。
これまでは茶系統の色がほとんどだったが、ファッション性の高いシューズやウエアなどと同様に、華やかに競技を彩るツールとしての役割が期待される。