保険料引き上げ 住宅ローンは低下暮らしへの影響も 長期金利低下

2015.1.15 20:54

住宅ローン金利は過去最低水準になる恩恵も

住宅ローン金利は過去最低水準になる恩恵も【拡大】

  • 長期金利(新発10年債利回り)

 長期金利の低下が進む中、その影響が住宅ローン金利のみならず保険商品にも及んできた。生命保険会社が主な運用先としてきた20、30年といった超長期の日本国債の利回りが低下しているためで、日本生命保険は2月から一部商品の保険料の引き上げに踏み切る。国債に投資し続けると、運用利回りが契約者に約束した利回りを下回る「逆ざや」に陥る懸念があり、各社は運用先の見直しに加え、値上げ追随の可能性も出てきた。

 日本生命が保険料を引き上げるのは、一時払い終身保険と呼ばれる、貯蓄性の高い主力商品の一つ。引き上げ幅は年齢や性別などによって異なるが、契約時の年齢が50歳で死亡時の受け取り保険金が500万円の場合、保険料は男性が5万6250円上昇して413万5550円、女性が6万4450円上がって397万300円になる。

 現在、一時払い終身保険での引き上げを表明しているのは日本生命だけだが、昨年10月に明治安田生命保険が一時払い個人年金保険、第一生命保険は一時払い養老保険の取り扱いを中止。保険商品は銀行の定期預金よりも有利な金利がつく場合があるが、「貯蓄性」をうりにする商品については、最近の低金利によって「魅力が薄れている」(大手生保幹部)という。

 一方、低金利の恩恵が及ぶのが住宅ローンだ。

 住宅金融支援機構の長期固定型住宅ローン「フラット35」(買い取り型)の1月の適用金利は、利用が最も多い「返済期間21年以上35年以下」の場合で、最も低い金利が1・47%と、取り扱いが始まった平成15年10月以来の最低金利を更新。1月の住宅ローン金利については、三菱東京UFJ銀行も当初10年固定の金利を1・15%にするなど、各銀行が過去最低に引き下げている。

 第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミスト は、「長期的には金利は今後、上がる可能性の方が高く、金融商品の運用を考える時期。住宅ローンを固定に切り替えるなど、うまく活用すべき」と指摘する。(飯田耕司)

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