ダイハツ工業が29日に発表した平成26年4~12月期連結決算は、最終利益が前年同期比45・5%減の279億円と大幅に落ち込んだ。軽自動車市場で首位を競うスズキと激しいシェア(市場占有率)争いを繰り広げたために、営業費用がかさんだことが大きな要因だ。
売上高は6・3%減の1兆2680億円、営業利益が46・8%減の510億円に留まり、減収減益となった。営業利益は449億円減ったが、うち値引きの“原資”となるディーラーへの販売奨励金や販促費などの営業費用が52億円の減益要因になった。
消費税増税の影響で新車需要が低迷した今年度、ダイハツは一部改良を含め過去最多の6車種を投入して販売テコ入れを図った。だが、スズキと昨年末まで競り合った結果、年間シェアはスズキが約3千台差で8年ぶりに首位を奪還した。
激しい販売競争でダイハツの4~12月期の軽販売は約48万台と前年同期比2%増えた。にも関わらず、消耗戦で業績は落ち込んだ。営業利益1100億円を掲げた通期見通しは据え置いたが、残り3カ月で進捗率は5割弱に留まる状況だ。
入江誠取締役は29日の会見後、記者団に対し「営業費用のばらまきはもうしない。弱点の東日本へ集中投下するなど使い方を見直したい」と述べ、営業戦略を変更する考えを説明した。