新日鉄住金は29日、原油安で、油田開発向けのシームレス鋼管をつくるブラジルの関連会社を減損処理し、平成27年3月期に686億円の特別損失を計上すると発表した。同日発表した今3月期業績予想の最終利益も従来予想を700億円下方修正し、1800億円とした。
関連会社は仏バローレック社などと伴に2007年に設立し、40・4%を出資する新日鉄住金グループの持分法適用対象。ブラジルでシームレス鋼管を年60万トン生産する計画だが、工場の立ち上げの遅れなどで「稼働率は6~7割」(太田克彦副社長)にとどまる。さらに、原油価格が設立当時から大幅に低下し、シームレス鋼管の需要が鈍化しているため将来の収益見通しを見直した。
太田副社長は同日の記者会見で、「2~3年かけて高規格品の比率を上げ、黒字化していきたい」と述べた。