東芝が米ゼネラル・エレクトリック(GE)、仏アルストム連合と、原子力を除くエネルギー事業で包括提携交渉に入ったことが6日、明らかになった。すでに、東芝はGEと火力発電、アルストムと送配電事業でそれぞれ提携しているが、この分野での協業を深めるほか、再生エネルギー事業や、ITを利用した設備の最適運転など、広範な分野で協力関係を築く狙いがある。重電業界の世界的な合従連衡が再び動き始めた。
東芝は昨年末、GEとアルストムのエネルギー部門の提携協議が完了したのを受け、先月から両社と提携交渉に入った。
東芝とGEは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた高効率の火力発電の開発・販売で提携している。東芝はGEと協調し、同火力発電をアルストムの販売網が強い欧州やアフリカ、中東で販売することを目指す。
石炭火力発電の提携も焦点だ。アルストムは東南アジアで石炭火力発電を数多く手がけている。同地域では燃料コストの安い石炭火力発電の需要が高まっており、東芝は自社の強みがある蒸気タービンや発電機の供給を提案しているもようだ。
連合を組むGEとアルストムは、折半出資で再生エネルギーと送配電の合弁会社を設立する計画だが、ここに東芝も加わることも検討中だ。再生エネルギーでは風力や地熱発電などの共同開発や販売を視野に入れている。
送配電では、東芝のスマートメーターなどの配電機器と、アルストムの電力供給の監視・制御する送電機器を組み合わせて世界で販売することも協議する。発電設備にセンサーを取り付け、膨大なデータを収集して稼働を最適化する分野での提携も検討している。