ひるがえって、今はどうであろうか。人と話をしたり電話するよりも、連絡はメールに頼りがちとなり、また会議室では主催者側と一部の人のみが会話している。そんなシーンが多くなっていないだろうか。
結局、何もしないと、どんどんコミュニケーションが断絶の方向に進んでしまう。このため、責任者はみずからテーブルなどの小道具を用意したり、会話が促進するような仕掛けを作ることが大切であろう。また、それを実施するのもしないのも、責任者がどれだけコミュニケーションを重視しているか、その優先度合によるのではないだろうか。
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【プロフィル】和田憲一郎
わだ・けんいちろう 新潟大工卒。1989年三菱自動車入社。主に内装設計を担当し、2005年に新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」プロジェクトマネージャー、EVビジネス本部上級エキスパートなどを歴任。13年3月退社。同年4月に車両の電動化に特化したエレクトリフィケーションコンサルティングを設立し、現職。著書に『成功する新商品開発プロジェクトのすすめ方』(同文舘出版)がある。福井県出身。58歳。