一方、グローバル化が進む中、海外事業で「トップ同士のコミュニケーションがビジネスを大きく左右する時代」(飯島社長)に突入している。商社の社長業は激務で、飯島社長の昨年の海外出張は延べ125日。チリやロシア大統領ら要人との面談や安倍晋三首相の地球儀俯瞰(ふかん)外交への同行もある。
パートナーの一つ、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のイメルト最高経営責任者(CEO)は45歳でトップに就任し、58歳の今も年間200日以上の海外出張をこなす。オデブレヒトのマルセロCEOも46歳と若く、安永氏の54歳は世界では全く違和感はない。
そのイメルト氏に臆せず、はっきりと主張する安永氏は好感を持たれているという。昨年11月には「君の顔は忘れない」と直筆の似顔絵を贈られたほど。愛媛県出身らしく中堅造船会社の経営者とも膝詰めで話し「国内外の商売やお客さんの大きさにかかわらず、相手の気持ちが分かり大事にする人」(飯島社長)とネットワーク作りと人柄は折り紙つきだ。
減損会計など逆風の中でグローバル経営やイノベーションにどう布石を打てるか。その手腕が注目される。(上原すみ子)