一方、世界的な消費財メーカーのユニリーバの研究開発投資は年10億ユーロだが、われわれのデータベースを活用して“Eサイエンス”を実践しコスト削減している。例えば他社の研究情報をディスカバリーすることで重複投資の無駄を省き、次の投資領域の発見に役立てている。
■本当の予測解析へ
中村 プレディクティブアナリティクスとはデータと統計と計算と仮説設定の能力だといわれる。だが現在、われわれが知っているプレディクティブアナリティクスは単純なレコメンデーションが多い。誰かがある商品を買ったという情報を知らない人へ教えているだけ。プレディクティブアナリティクスとはこのままいくとこうなると予測、その情報を活用することだ。米国では既に普通の家庭が電力使用状況の予測やお勧め情報を活用しており、情報提供にはダッシュボードが使用されている。
データ集計とデータ解析は違う。集計はデータをあるカテゴリーに分けて数え値を出すこと。解析とはこの数字があるのはなぜか、バックグラウンドを見て要因をモデル化していくことだ。そこから予測解析が可能になる。
日本の現状は遅れていると感じる。早晩、キーワードはビッグデータからプレディクティブアナリティクス、データフュージョンへ変わるだろう。