三菱電機は17日、海流の速さを海洋レーダーで観測し、津波の規模を早期に推定する技術を開発したと発表した。2015年度以降に製品化し、地方自治体や、沿岸に施設を持つ企業などに売り込む。海洋レーダーによる「津波監視支援技術」は世界初という。
海流を観測する海洋レーダーは従来、津波の監視を目的としていない。このため津波が発生しても、もともとの海流と区別できなかった。だが、同社はデータから通常の海流などを除去し、津波に関わる部分だけを抽出する技術を開発。流速や地形データなどから、津波の高さなどを推定できるようになった。
従来の津波探知に使われる光学センサーなどでは約20キロメートルより遠くなると、観測できない場合があった。しかし、海洋レーダーでは約50キロメートルまでの沖合を観測できる。早期に津波を検知し、避難に必要な時間の確保を支援するという。