一方、台座に取り付けるセンサーには、モーターの微少な振動も測定できる「角速度センサー」などを追加。幅広い姿勢情報を取得できるようにした。
工夫はそれだけにとどまらない。
地上でデータ処理
8号では、地上に送信する観測データが7号の30~50倍に増えることから、送信に用いる周波数帯が変更された。三菱電機はそれに合わせて、角速度センサーなどが拾った衛星の姿勢データを観測データと同時に地上へ送信し、地上側でソフトウエア処理することにした。こうした姿勢データは、地上での処理があって、初めて有効なものとなる。
同社は、処理済みの姿勢データを観測データとともに気象庁へ提供。それを気象庁が独自に処理し、正確な位置を反映した画像を得られるようになった。磯部プロジェクト部長は「8号は衛星と地上が一体となったデータ処理こそが最大の特長」と説明する。