2日早朝に長野県の長野市や松本市など広域で大規模な停電が発生。最大で県内の半数近い38万世帯が停電し、午前10時6分に全面復旧した。この影響で、長野新幹線など交通機関が運休したほか、県内の精密機械工場の一部が臨時休業するなどの影響も出た。
臨時休業を決めたのは、計測機器メーカーの長野計器で、上田市にある2工場を臨時休業とした。あす3日は通常通り操業する予定。シチズンホールディングスは、県内3事業所のうち、御代田町で工作機械を手がけるシチズンマシナリーミヤノで、午前中の稼働を見合わせた。午後からは稼働させる見通し。
午前中の全面復旧により、大きな影響は避けられたもようだ。長野県に10の事業所を持つ精密機器メーカーのセイコーエプソンは、安曇野市にある豊科事業所が停電したが、始業前には復旧。全工場が通常通り稼働している。
小売り業界ではイオングループで、午前7時や9時などに開店予定のスーパーがオープンできなかったものの、電力供給が復旧した10時過ぎには通常営業に入り、「混乱はなかった」(コーポレートコミュニケーション部)。
東日本大震災などの教訓で、非常用バッテリーの配備が進んだことも幸いしたとみられる。セブンーイレブン・ジャパンやローソンなど、コンビニエンスストア大手は、店内の非常用バッテリーでレジなどの電力は確保し、冷蔵庫なども影響はなかったという。