【番頭の時代】第2部 「飛躍」を生み出す(5)グリー・秋山仁取締役 (1/5ページ)

2015.3.3 05:00

 ■若い会社の健全化に奔走

 「コーポレート本部副本部長を命ず」

 2012年4月、東京・六本木にあるソーシャルゲーム大手グリーの本社。当時40歳だった秋山仁(43)は、渡されたばかりの辞令を見つめながら、「大役」が回ってきたことに気持ちが高ぶった。

 「ガチャに10万円つぎ込んだ」「こっちは2カ月間で46万円」

 当時、「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」と呼ばれるソーシャルゲーム各社の大きな収益源だった課金法が、社会問題になりつつあった。子供が希少アイテムを獲得するため、多額のお金を使ってしまう点が世間の批判の的になっていた。

 秋山に託されたのは、このコンプガチャ問題について、法務関係の指揮をすることだった。前職の証券会社では、契約書の作成などをめぐり、常に弁護士とやり取りしていたため、法律には詳しい。

 「われわれはどう意識を変えるべきなのか」。社会問題に発展したコンプガチャ問題について弁護士、有識者らを本社に招き、連日連夜、議論を重ね、DeNAなど同業者とも話し合いを繰り返した。こうした取り組みは、ガチャ撤廃を盛り込んだ会社の内規や、業界6社によるガイドライン作成などにつながる。

                   ◇

 「グリーとしては、消費者に喜ばれるなら何でも提供したい思いがあった。けれど社会にどんな影響があるか、思いをはせる感度が低かった」。ガチャについて、秋山はこう振り返る。売上高1000億円を超える大企業に急成長したものの、考え方はベンチャーのままだった。

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