一方、会社でマネジメントの役職に就くと、部下の人格がどのように形成されたのかを探求するようになった。その過程で、教育が人生に大きな影響を与えていることが分かった。
ただ、会社を設立したとはいえ、当初は具体的なビジネスを定めていなかった。最初に計画したのが知育アプリの実用化。30人の働くお母さんと食事をしながら意見を聞いてまわったが「月300円や500円でも高いと感じる」といった意外な反応が次々と返ってきた。その分、英会話などの習い事にはお金を投資していることが判明した。方針は定まり、利便性が高く安価を売り物とする、オンライン型英会話スクールの運営を決めた。
前職は「Ameba総合プロデュース室室長」。そこでは、「ユーザーに向き合え」が合言葉だった。ハグカムでもユーザーの声を丁寧に拾っていったことが、ビジネスモデルの確立につながった。
実はこれまで、ハグカム以外にも2社の立ち上げに携わっているが「自分が頑張らなければ」と気負った結果、体調不良に陥るなどの苦い経験も味わった。「『これはできません』といった駄目な部分も出せなければダメ」と、経営スタンスについても過去の反省を生かす。
これからの目標は、女性の社会進出のサポートにつながるような教育ビジネスを追求することだ。(伊藤俊祐)