幻に終わった「NTT対抗軸」 電力系めぐり曲折…違いすぎた企業文化 (2/5ページ)

2015.4.27 06:34

2002年7月、IIJとパワードコムの提携会見で握手するIIJの鈴木幸一社長(左)とパワードコムの種市健社長=東京都港区

2002年7月、IIJとパワードコムの提携会見で握手するIIJの鈴木幸一社長(左)とパワードコムの種市健社長=東京都港区【拡大】

  • 1998年1月、TTNetはNTTより安い料金で関東圏の市内通話サービス「東京電話」を開始。NTTの独占状態に風穴を開けようとした

 当時、社長の小野寺正(67)は合併会見で、「トップ同士で合意すれば資本提携などの方向に持っていきたい」と述べ、電力系との包括提携に意欲を示した。

 しかし、それから約10年、KDDIの携帯・固定通信のセット割引「スマートバリュー」の販売で電力系との協力関係こそ広がったが、本格提携には至っていない。

 違いすぎる企業文化

 インターネットイニシアティブ(IIJ)会長の鈴木幸一(68)も「打倒NTT」を唱え、電力会社の光ファイバーに目をつけてきた一人だ。1993年11月、日本企業で初めてインターネットの商用サービスを始めたIIJは、通信市場が電話からインターネットに比重を移す中で、存在感を高めることになる。

 DDIや日本高速通信など日本を代表する企業連合として発足した新電電各社の通信事業参入を、鈴木は「名ばかりの競争」とバッサリ切る。NTTと同じサービスを少し安く売るだけの新電電に歯がゆさを感じていた。

 鈴木は自社のインターネット技術と、全国に20万キロ以上の光ファイバー網を持つ電力系通信事業者との組み合わせでNTTに対抗するという構想を藤森や東電副社長だった山本勝(故人)に語り、02年夏にはIIJとパワードコムが「将来の合併を視野」に入れた提携で記者会見した。

「電力というのはNTTよりはるかに官僚的なのだから…」

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