【ビジネスのつぼ】ソニー「スマートビートレーナー」 (1/2ページ)

2015.5.4 05:00

スマートビートレーナーの開発に携わったソニーの担当者ら=東京都品川区

スマートビートレーナーの開発に携わったソニーの担当者ら=東京都品川区【拡大】

  • スマートビートレーナーの試作品。これを改良する形で開発が進められた
  • スマートビートレーナーの発表会。心拍数に応じて自動選曲する機能が搭載されている=2月12日、東京都港区

 □アプリと一体使用で効率的ランニング

 ソニーが2月初めに発売した「スマートビートレーナー」は、楽しく効率的にトレーニングができるようにランナーを助けるウエアラブル端末だ。スマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)と一体的に使うことで、プロのトレーナーが監修したメニューもこなせる。この新しい分野の製品を生み出すため、100人を超える社員が協力。試行錯誤を重ね、文字通り汗を流して取り組んだ。

 「次の市場を担うウエアラブル端末で、新しい体験をつくり出したかった」

 ◆社員が走りデータ収集

 プロジェクトリーダーを務めたソニーSE事業室の木本大士(ひろし)さんは、開発の契機をこう振り返る。ランニング人口が増え続けていることにも着目し、2013年春に市場調査に取りかかった。関係者は自ら走りを楽しむ中で、どのような機能が必要かも考えた。

 SE事業室の小池中人(なかと)さんは、もともと苦手だったランニングを数年前に始めて徐々に実力をつけ、今ではフルマラソンを3時間以内に走破する社内でも屈指のランナーだ。その経験から「利用者に達成感を感じてもらえる製品にすべきだ」と主張した。

 木本さんは「(ランニングは)独りで行うため、続けるのが大変。また、一定のレベルを超える上達が難しい」と感じていた。「こうした課題を解決する端末ができれば、価値がある」と判断し、ビデオ&サウンド事業本部で「ウォークマン」などに携わってきたエンジニアの渋谷宏久さんらに試作品の設計を頼んだ。

 「夏には、プロト(試作品)がほしいんだよね」。異例の短期間だった。

 渋谷さんには、さまざまな状況を記録するセンサーを組み込み、頭部に装着するという端末の姿が見えた。スマホを装着できるように改造したヘッドギアをかぶって移動し、スマホ内のセンサーからデータを収集。5月の連休にも作業を進め、ウォークマンの中身を抜いてセンサー群を組み込んだ試作品を作り上げた。

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