ソニーは、同社が技術的な強みを持つ画像センサーに、業績回復への牽引(けんいん)役を期待している。今年度に約2100億円の巨額投資を行い、生産枚数を現在より45%増やす。合わせて車載や美容など、利用分野の拡大も進めている。
このセンサーは、スマートフォンなどに搭載されるカメラに組み込まれ、画像処理を行う半導体。現在は月約6万枚を生産しているが、巨額投資による製造設備の拡充で、2016年9月末に約8万7000枚に引き上げる。幅広く外販しており、新興国でのスマホ需要拡大に対応して増産を決断した。
自動運転技術で“車の目”となる車載向けセンサーも開発。また、センサーを搭載した測定機による美容関連サービスとして、肌解析システム「ビューティーエクスプローラー」を3月に始めた。判定をもとに肌を改善するための施術や化粧品の販売を見込める美容サロンや化粧品メーカーに提供している。
測定機で解析した結果をタブレット端末に表示する。肌のなめらかさ、毛穴やシミなどについて5段階で表すほか、総合評価を「肌年齢」として示す。
同社は画像センサーで世界首位。今後は、目では見えにくいものの存在をとらえたり測定したりする「センシング」領域の拡大が見込まれている。
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■ソニー
【設立】1946年5月7日
【資本金】6466億円(2014年3月末現在)
【本社】東京都港区港南1-7-1
【連結従業員数】13万1700人(15年3月末現在)
【連結売上高】8兆2158億円(14年度)