いまの所感を聞くと「忘れた」「言うことは何もない」と繰り返した。
経営で何がいけなかったのかと聞いた。
すると、おもむろに強い口調になり、「銀行にだまされたって言わせたいんやろ。だまされていないし、だまされたとしても、だまされたほうが悪い。それが資本主義や」と語った。
これについては補足する必要がある。
経営危機が深刻になった18年、三洋は、主力取引行の三井住友銀行や、米ゴールドマン・サックスなど金融3社を引受先として計3千億円の優先株を発行し、資本を増強した。
ただ、これで、普通株換算では発行済み株式の約7割(議決権ベース)を握られることになり、一定期間が経つと、1株70円で普通株に転換できる優先株は「屈辱的なダンピング」(関係者)ともいわれた。