米ヤフーが経営の大きな分岐点を迎えたようだ。日本のヤフーなどパートナー企業の保有株を処分して大型買収に打って出るとの観測が強まっているが、投資家からは株主還元やライバル企業との“縁談”を求める圧力も増している。背景には、モバイル事業への対応が遅れて業績が伸び悩む中、局面打開への焦りがみてとれる。IT界でもスポットライトを浴びる米ヤフーの女性トップ、マリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)の再編戦略をめぐる悩みは深そうだ。
日本ヤフーと決別?
どうせまたはぐらかされるのだろう-。そう思っていた大半のアナリストや投資家が色めき立った。
「日本ヤフー株について、(米ヤフーの)株主利益を最大化する。そのためのアドバイザーも雇った」
4月21日のヤフーの決算会見。これまで市場でくすぶってきた日本ヤフー株の売却観測について、かたくなに口を閉ざし続けてきたメイヤー氏が、売却も含めた選択肢を検討していることを事実上表明した。