台頭著しい格安航空会社(LCC)をめぐる東西の拠点空港の“ガチンコ対決”が熱を帯びている。成田空港がLCC専用の第3旅客ターミナル開業を機に誘致を本格化させたのだ。羽田空港の国際線発着枠の拡大に伴い航空各社が長距離路線の羽田シフトを進める中、成田は利用者増の切り札にLCCを選んだ格好。LCCの拠点空港の地位を確立した関西国際空港も新たなターミナルの建設を計画。全日本空輸や日本航空など従来のフルサービスキャリアの誘致と合わせて迎撃態勢を整えるが、首都圏空港の本腰に厳しい戦いも予想される。(橋本亮)
徹底したコスト削減
配管類や柱がむき出しになった天井。窓が少なく、質素というよりも殺風景という言葉が合うのが成田空港で4月8日に開業した第3旅客ターミナルだ。簡素なつくりにすることで建設コストを大幅に削減。その結果、入居する航空各社が負担する施設使用料を既存のターミナルビルの半額程度に抑え、利用客が支払う施設使用料も国内線出発(大人)を約14%も安くすることができる。
外見より中身を優先させる成田。実は日本の玄関口としての成田の地位に陰りが見え始めているのだ。