□ワールド・ワイズ・ジャパン代表 LOGOSプロジェクト主幹・濱口理佳
■「業界の存続」第一義に危機感共有を
くぎをはじめとする遊技機性能調査と、いわゆるパチンコのマックスタイプに代表される現行機種の販売停止後の流通問題。いま、遊技業界は対応すべき課題に追われる状況にある。
風営法ではくぎの整備は認められているが、遊技の性能を左右する意図的な調整は違法だ。遊技産業健全化推進機構は5月20日までに「遊技機性能調査の実施について」のお知らせを発表し、従来の立ち入り検査に加えて、検査員が実際に玉・メダルを借りて遊技を行う調査を6月1日より実施する旨、伝えた。なお、調査開始からの半年間は行政への通報は行われない。
ただし、調査が開始されてからの半年間におけるパチンコホールの対応によっては、警察庁のさらなる規制を招く可能性もある。現実的なラインでどのように取り組んでいくのか、慎重かつ迅速な検討が求められるところだ。
一方、現行機種の年末以降の取り扱いについては、射幸性の抑制を背景に流通を制限すべきだとの声が聞かれるなか、パチンコホールの全国組織が「流通は制限せず、現行機種(パチンコ、パチスロとも新たな基準に該当しない機種)の設置比率を下げる」基本方針案を打ち出した。合法機を合法に購入した前提で検定期間内の流通を当然の権利と主張するスタンスだ。いずれにせよ、業界としての統一した見解が早々に打ち出せないリスクを考えれば、“業界の存続”を第一義に“危機感”を共有し、それぞれの権利と義務を問い直す必要があるだろう。