「一つの技術が一つのヒット商品を生み出せる時代ではなく、優れたハード、ソフト、デバイス(電子部品)を結集させなければならない」。鈴木は危機感を募らせ、事業部や子会社などとの横の連携を強める。
期待される宿命
「このサービスにお金を払う人がこれだけいるという根拠は、何ですか」
ソニー本社の大会議室で、審査員から厳しい質問が飛ぶ。社員のグループがアイデアを持ち寄り、新規事業の開発につなげる“オーディション”。約1年前にプロジェクトを立ち上げ、100人程度の参加を見込んだ説明会には1200人の応募があった。
新規事業創出部担当部長の小田島伸至は「やはり『新しいことをやりたい』という人材は多い」と実感した。