日本損害保険協会の会長に就任したあいおいニッセイ同和損害保険の鈴木久仁社長が30日、東京都内で記者会見を開き、地震保険料の引き上げについて「制度の強靭(きょうじん)性、持続性の担保が重要だ」と指摘した。一方、「契約者の負担との適切なバランスを取るべきだ」とも述べ、契約者への配慮も求めた。
普及が遅れている地域を重点地域に指定し、集中的に広報活動を行う方針も示した。重点地域は北海道と群馬、富山、石川、長野、京都、兵庫、岡山、佐賀、長崎、沖縄の11道府県。
鈴木氏は「災害が起きる前に地震保険の必要性を理解していただくことが、われわれの役割であり責任だ」と述べ、来年3月で東日本大震災から5年の節目を迎えるのを機に、地震保険の普及や防災・減災教育に力を注ぐ考えを強調した。
鈴木氏は同日までの産経新聞とのインタビューで、「高齢社会における防災対策」として、高齢者と小学生が一緒に地域を歩いて回り、災害時に想定される被害状況や避難経路を確認する活動に取り組む考えも示した。