■産経新聞客員論説委員・五十嵐徹
巨額な利益の水増しが明るみに出て、歴代の3社長が引責辞任するなど異例の事態に追い込まれている東芝。
第三者委員会(委員長、上田広一・元東京高検検事長)の調査報告書によれば、「不適切な」会計処理は少なくとも2008年度決算から継続的に行われ、水増し額は1518億円にも達している。東芝の社内調査分を含めると1562億円まで膨らんでいた。
しかし、あくまでこれは、残存する資料から確認できた額。報告書では触れられていないが、07年度以前の決算でも利益の水増しは行われていた可能性が強い。
日本の代表的企業による「不適切な」会計は、その巨額さにも驚かされるが、あまりの長期、かつ幅広い業務分野で行われていたことが衝撃的だ。
再発防止誓ったはず
わずか4年前の11年には、オリンパスの粉飾決算が発覚。やはり長期にわたる巨額な損失隠しが厳しい批判を浴びた。