総合スーパーや百貨店などで、ランドセル商戦が本格化してきた。孫らが帰省するお盆前後に祖父母らが購入するケースが多いためだ。各社は、色や装飾など見た目に加え、軽量化で使い勝手を高めたこだわりの一品などを売り込み、孫のためならお金を惜しまない祖父母らの需要取り込みを目指す。
イオンリテールは、今年のランドセル商戦は、年間売り上げの4~5割がお盆に集中し、4万円台後半~5万円台が売れ筋とみる。ランドセルにも個性が求められると判断し、色やデザインを自分で選び140万通りを超えるお好みのランドセルを作ることができる新機能の商品をそろえた。訪日観光客の購入も増えており、一部店舗では英語と中国語で商品を説明する表示を導入し販売増につなげる。
百貨店では、三越伊勢丹が税込みで17万2800円の高級ランドセルを“目玉”に打ち出した。イタリアで熟練の職人が染色や装飾も担当。伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)と三越日本橋本店(同中央区)で限定販売して、株高で潤う富裕層の消費喚起を目指している。
ランドセルメーカーのセイバンは、背負ったときの機能性にこだわった商品を売り込む。肩ベルトの素材や背中部分のクッションに新技術を取り入れて、重さを感じにくい特徴をアピールして、幼稚園児らを持つ親や祖父母の「指名買い」を狙う。