□アマノコーポレーション副社長・天野竜児
今年6月17日、選挙権を20歳から18歳に引き下げる法律が参院で可決した。1945年に「25歳」を「20歳」に引き下げて以来、70年ぶりの変更で、来年夏の参院選から適用される。これに伴い、18、19歳の新たな有権者が誕生することになる。
世界を見渡すと、18歳で選挙権を与える国は多い。国連の常任理事国はすべて18歳だ。選挙権が20歳以上というのは世界ではまれであり、アフリカの一部の国など少数派。先進国を筆頭に、思い浮かぶ国のほとんどが18歳で選挙権を与えられる。日本は世界の主要国でありながら特異な選挙制度であったといえるだろう。また、日本の場合、成年年齢は民法で20歳と定められているが、国際標準ではこちらも18歳だ。
選挙権や成年年齢以外に、大人の嗜好(しこう)への参加可能年齢も国によって異なる。飲酒に関しては、日本は20歳、米国は21歳。その他の主要国では18歳以上という国が多い。ヨーロッパ諸国ではビールなどは16歳でも合法である。
ではカジノはどうだろうか。米国、シンガポール、マカオは21歳以上。その他多くの国では18歳以上である。
注意深く調べていくとある法則が見えてくる。例外なく飲酒年齢はカジノ解禁年齢以下なのだ。いま、日本にカジノはなく、合法ギャンブルは競馬や競輪である。それらの入場年齢制限は20歳。他国と同じく飲酒年齢がカジノ解禁年齢以下の法則に従っている。