原油安に伴うガソリン価格の下落で、地方の郊外型店舗を中心に運営する回転ずしチェーンなどの客足が改善している。自家用車で来店する家族連れが多くいるためだ。原油価格の値下がりが一段と進めば、消費者の財布にも余裕が生まれ、売り上げ増も見込まれるとして外食各社は、今後の値動きを注視している。
レギュラーガソリンの全国平均小売価格は、先週まで6週連続で値下がりし、1リットル当たり130円台になった。これに呼応するように、ゼンショーホールディングス傘下の回転ずしチェーン「はま寿司」では、8月中旬から郊外店の既存店客数が前年を上回り始めた。トリドール傘下の讃岐うどん店チェーン「丸亀製麺」も郊外型が好調だ。
回転ずしチェーン「スシロー」を展開するあきんどスシローの水留浩一社長は「ガソリン価格は来客数に大きく影響する要素」と指摘する。
ガソリン価格が1リットル当たり130円台前半に下がった今年2月も、郊外型飲食店の業績は改善した。ファミレス大手、すかいらーくの2月の既存店客数は前年同月比5・8%増と、1月実績(2・6%減)から大きく持ち直した。くらコーポレーションが運営する回転ずしチェーン「くら寿司」も2月の既存店客数が5・5%も伸びた。
消費者の節約志向が強まる中、外食産業は苦戦が続く。原油安に伴うガソリン価格の下落が“干天の慈雨”となるか、各社は値動きに期待を寄せている。(今井裕治)