【ハザードマップ】栗田出版販売 雑誌の販売落ち込みが直撃 (1/2ページ)

2015.8.27 05:00

 「ついにここまで来たか…」。出版関係者の口から思わず漏れた言葉だった。業界4位の出版取次、栗田出版販売が6月26日、東京地裁に総額134億9600万円の負債を抱えて民事再生法の適用を申請し、7月10日に再生手続きの開始決定を受けた。出版取次は出版社と書店の間に入り、流通から委託販売代金の回収までを担い、出版物の普及に一役買ってきた。しかし、出版不況は取次会社の経営も追い込んでいる。債権者数は約2600社に上り、中小出版社の経営にも暗い影を投げ掛けた。

 栗田出版販売は1918(大正7)年に栗田書店として創業した。出版取次は書籍・雑誌の流通の一体化、返品制、定価販売制という出版流通方式を足元で支えてきた。出版社が取次会社を通じて委託販売を行うことで、書店は在庫負担を考えずに本を店頭に置くことができる。この業界慣習が出版物の大量生産、大量流通を可能にした。

 栗田の仕入れ先の出版社は直近で約2500社、販売する書店は300社を超えていた。営業所は本社のほか札幌、静岡、岡山、福岡の4支店。ピークの91年9月期の売上高は701億7900万円で、業界4位を確保した。

 ところが近年、書籍や雑誌が売れず「出版崩壊」の懸念も拡大。スマートフォンなどの普及で紙媒体を買う人が少なくなり、雑誌の落ち込みが特に大きい。本の売れ残りを示す「返本率」も高まっている。出版社の売上高は必然的に下がり、出版取次の売上高も減少している。

 売り上げに占める雑誌の割合が高いことから、街の小さな本屋が次々と姿を消している。小さな本屋に細かな営業を行ってきた栗田は売上高が10期連続で減り、2014年には329億3100万円とピークの半分に落ち込んだ。6期連続で経常赤字となり、最終赤字も余儀なくされた。

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