【講師のホンネ】部下は「育てる」でなく「育つ」もの 櫻田毅 (1/2ページ)

2015.9.23 05:00

 外資系企業に勤めていたとき、「サクセッション・プラン」という人事制度があった。役員などの幹部クラスの社員が毎年決まった時期に、「もし自分の後継者を指名するとすれば誰なのか?」ということをよく考えた上で、2、3人の候補者の名を会社に届ける仕組みである。もちろん極秘情報であり、情報を共有するのは届けた本人以外は社長と人事部長の2人だけである。他の幹部に伝わることもなく、名前が挙げられた社員自身が知ることもない。会社によっては、社員の選抜および計画的な幹部人材育成を目的としたサクセッション・プランを採用しているところもあるが、当社の場合はそうではない。

 将来へ向けての体制の維持・強化のための最高責任者としての状況認識と、誰か幹部が辞めたときや、事故や病気で業務ができなくなったときのための危機管理が目的である。

 しかしそうは言っても、いったん名前を挙げてしまうと、どうしてもそのことが気になってしまう。必然的に、少し上のレベルの判断機会を与えたり、権限を委譲してみたりするようになるのだ。一方、彼/彼女だけを特別扱いするわけにはいかないことにも気づき、他の部下にも同様の機会を与えようとする。

 これは、漫然とした部下育成とは違い、私のポジションの責任と権限を、彼/彼女がどこまで全うできるようになるか、という具体的なイメージの伴うトレーニングを意味する。

 部下は「育てる」ものではなく「育つ」ものである。無理やり育成しようとしなくても、実務的に適切な機会を与えて的を射たフィードバックを行えば、部下は勝手に育っていく。

 当然、チームの生産性は質・量ともに向上し、成果もついてきやすくなる。何より、私自身が彼らに負けないように、より自分自身を成長させる努力をすることになる。

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