外食チェーン大手のワタミは2日、介護事業の子会社「ワタミの介護」を損保ジャパン日本興亜ホールディングスに210億円で売却すると発表した。国内外食事業の不振などでワタミの有利子負債は2015年3月期末時点で300億円超となっており、本業の立て直しと財務体質改善を急ぐ。
本業の国内外食事業は不振が続いている。14年3月期、15年3月期と2期連続で最終赤字を計上。清水邦晃社長は「今期の黒字転換は必達」と背水の陣の覚悟で臨むものの、同年4~6月期連結決算も15億円の最終赤字だった。
居酒屋「和民」などで、4月に10年ぶりの値下げや商品数を絞り込むといった改革で集客アップを図ったものの、8月の既存店売上高は前年同月比8.5%減と改善していない。一旦減らしたメニューを9月に再び増やすなど迷走している。
介護事業とともに、国内外食事業の赤字を埋めてきた頼みの高齢者食宅配事業も同業他社との競争が激化。同年4~6期の営業利益は前年同期比50.7%減の3億4300万円と急ブレーキがかかった。