商用車大手の三菱ふそうトラック・バスが大・中型バスを来年から前年比で約2割増産することが11日、分かった。訪日外国人の増加や2020年東京五輪の開催で観光バス受注が急増し、納車が追いついていないため。
同社は富山市の子会社工場でバスを生産。顧客ごとに仕様が異なる観光向け大型バスは手作業の部分も多く、1日に生産できるのは6台程度。ただ、今年上期の大型バスの受注は前年の倍で、今注文しても納車に約1年かかる。同社は8月にもラインの一部を増設したが、今後も受注の高止まりが期待できると考えた。具体的には、期間従業員を含む作業員の増員や休日出勤、残業の増加、作業スペースの効率化などで対応する。同社幹部は「五輪前までは高水準の受注が続く」という。
日野自動車など他の商用車大手も工場の能力増強を検討。中国経済の減速や運転手不足など懸念材料はあるものの、生産回復の動きが広がれば日本経済にプラスになる。