自動車大手7社の平成27年9月中間連結決算が5日、出そろった。トヨタや日産自動車、富士重工業、スズキの4社が最終利益で中間期として過去最高を記録。円安効果と北米市場の好調で業績の拡大が続き、5社が28年3月期の通期業績予想を上方修正した。ただ、中国経済の減速やタカタ製エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題などが業績の重しとなる可能性もある。
日産は北米でスポーツ用多目的車(SUV)など利幅の厚い車種の販売が増え、日本やロシアなどの低迷を吸収した。西川広人副会長は「北米や欧州の販売好調や為替変動が増益要因となり、鈍化している新興国と日本の影響を補った」と説明した。
28年3月期の業績予想も上方修正し、最終利益は前期比16・9%増の5350億円と10年ぶりに過去最高を更新する見込みだ。ホンダやマツダもSUVなどの販売が業績を牽引し、大幅な増収を達成している。
だが、中国市場の減速で「取引は下落傾向にあり、競争は激しい」(日産幹部)。米国は「低金利で拡大しているのは事実」(富士重の吉永泰之社長)で、利上げが実施されれば販売に打撃を与える恐れもある。
また、タカタ製エアバッグをめぐっては、ホンダに続き、富士重が新型車でタカタ製ガス発生装置の使用中止を表明した。部品調達に支障が出る懸念は否めず、業績の足を引っ張る悪材料となりかねない。