独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は1日、米国での新車販売台数が11月に前年同月比24.7%減の2万3882台になったと発表した。排ガス規制逃れ問題が響き、11月としては5年ぶりの低水準に落ち込んだ。
VWは9月の問題発覚後、値引き販売を強化して9、10月は微増を保ってきた。だが、11月はブランドイメージの悪化による顧客離れに加えて、不正を指摘された一部ディーゼル車の販売停止が足を引っ張った。一部モデルが販売停止になった乗用車「ゴルフ」や「パサート」は60%を超える減少幅となった。
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VWグループの排ガス規制逃れ問題の影響がいよいよ鮮明になってきた。11月の米国販売は5年ぶりの低水準に沈んだ。1日にはインドで約32万台のリコール(回収・無償修理)を発表するなど信頼回復に取り組むが、修理費用の拡大や訴訟などが経営に深刻な打撃を与える恐れがある。
VWは問題発覚後、経営陣の刷新や投資計画の見直しなどを矢継ぎ早に実施。インドのほか、欧州連合(EU)でも来年1月に約850万台のリコールを始める。中国市場では大幅な値引き攻勢に出ているとみられ、10月の世界販売は前年同月比3.5%減の83万1300台と小幅なマイナスにとどまっていた。