タイ火力の増設営業開始 Jパワー、海外事業拡大加速

2015.12.2 05:00

電源開発(Jパワー)が発電設備を拡充したタイのガス火力発電所「ウタイガス火力発電所」(同社提供)

電源開発(Jパワー)が発電設備を拡充したタイのガス火力発電所「ウタイガス火力発電所」(同社提供)【拡大】

 東京電力など大手電力と電源開発(Jパワー)が電力需要が伸びるアジアや中東など海外の発電事業への投資に力を入れている。Jパワーは1日、タイのガス火力発電所の増設設備が営業運転を開始したと発表した。電力各社が海外に目を向けるのは国内需要が今後、人口減で先細りするためだ。来春には電力小売りの全面自由化が始まり、事業環境は厳しさを増す。収益源の確保に向け、これまで培った設計ノウハウや運転技術を生かして電力各社が、海外事業を強化する動きは加速しそうだ。

 Jパワーが、拡充したのは同社が90%出資するタイ中部のガス火力発電所「ウタイガス火力発電所」(アユタヤ県)。新たに2号機(出力80万キロワット)が稼働し、同社の海外の発電設備の持ち分は国内電力会社で最も多い計750万キロワットに達した。

 同社の本業である国内電力会社に電気を売る卸電力はほぼ頭打ち。このため活路を求めて海外事業を強化しており、海外の持ち分は2025年度までに1000万キロワットに高める計画だ。

 持ち分がJパワーに次いで多く、約330万キロワットでほぼ並ぶ東電、中部電力は10月、それぞれカタールの発電・造水事業への増資やインドネシアの石炭火力事業への出資を決めた。関西電力も6月に優良案件を発掘するため、海外戦略を練る国際室を国際事業本部に昇格させた。

 海外発電事業の収益率は高い。東電では14年度の海外売上高1004億円に占める営業利益の割合は約28%で、全体の約5%を大きく上回る。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、経済協力開発機構(OECD)加盟国を除くアジアの電力需要は30年に12年比約2倍の12兆3820億キロワット時となる見通し。稼ぐ事業に育てるため各社は投資を拡大する。

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