経団連が来年の春闘の経営側の指針としてまとめる「経営労働政策委員会報告(経労委報告)」の原案を取りまとめ、7日の会長・副会長会議で提示、議論することが4日、わかった。2015年の春闘を上回る水準での賃上げを呼びかけるなど、経済の好循環に向けて、企業の積極的な対応を求める内容になっている。
原案では、利益を上げたり、業績を向上させた企業に対しては、「今年を上回る年収ベースでの賃上げに対して前向きで、踏み込んだ検討が望まれる」としており、3年連続の賃上げを呼びかけている。ベースアップ(ベア)についても、対応を求めているほか、子育て世代に重点的に配分することを打ち出している。また、非正規労働者の正規化や待遇改善も図る。
経団連は当初、会長・副会長会議では、12月下旬から経労委報告の原案について議論する予定だった。しかし、榊原定征会長が、11月26日に開催された政府の官民対話で、企業に賃上げを呼びかけることを表明していることから、議論を前倒しすることにした。