キリン ブラジル経済の急減速で赤字に ビール業界の海外展開の難しさが露呈

2015.12.21 23:01

業績予想の下方修正について会見で説明するキリンホールディングスの伊藤彰浩取締役常務執行役員(右)と溝内良輔常務執行役員(左)=21日、東京都中央区の東京証券取引所

業績予想の下方修正について会見で説明するキリンホールディングスの伊藤彰浩取締役常務執行役員(右)と溝内良輔常務執行役員(左)=21日、東京都中央区の東京証券取引所【拡大】

 キリンホールディングス(HD)が平成27年12月期業績を下方修正した原因は、ブラジル経済の激変によるものだ。国内ビール市場が縮小する中、国内のビール各社は海外事業を強化しているが、海外展開には思わぬ落とし穴があることを知らしめたといえる。

 キリンがブラジルのビール大手、スキンカリオール(現ブラジルキリン)を買収したのは23年だった。当時のブラジル経済は好調で、ビール市場は年率5%成長を続けていた。

 「このまま成長は続くとみていた」(溝内良輔常務執行役員)が、25年になるとブラジル経済は急減速した。通貨レアル安による原料調達コストの上昇も収益を直撃。買収当時は1レアル=50・35円だったのに対し、キリンの見込みでは今年末に1レアル=36・38円と38%も下落する。溝内氏は「全く予想していなかった」と振り返る。

 キリンは、営業体制の見直しや生産調整などのリストラを進め、30年12月期にブラジル事業の黒字化を目指す。しかし、ビール業界には「激しい競争を繰り広げるブラジルの市場でキリンが存在感を示すのは容易ではない」(大手ビール幹部)と冷ややかな声もあり、回復に向けた道のりは決して平坦(へいたん)ではない。

 ただ、アサヒグループHDはアジアやオセアニアなど、サントリーHDは中国や米国など、サッポロHDは東南アジアなどで、それぞれ事業を展開中だ。米国の利上げなどで新興国景気の先行きは不透明感が強まる中、キリンの赤字は他のビール各社にとって人ごととはいえない。(松元洋平)

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