■海外インフラ、現地企業との提携重視
--昨年は大手ゼネコン各社とも好業績だったが、2016年の経営環境をどう展望するか
「昨年4月の社長就任後にスタートした中期計画の最終年度の目標を今期で上回る見通しだ。以前に抱えた不採算事業が一段落し、需給バランスも良くなっている状況だ。今年の景気は、『横ばい』という言葉を使えばマイナスにも聞こえるが、良い状況が続くとみている。ただ当面、中国経済の減速もあって海外投資は難しい」
--新国立競技場をはじめ、今年は五輪関連の工事が本格化し始め、建設需給の逼迫(ひっぱく)も予想される
「一時期は『いつまで仕事があるのか』と危惧していたが、足元で工費も高くなっているため、需給が落ち着くまで発注を先延ばしする顧客もいる。そうした仕事が20年以降の受注につながることで、前回の東京五輪のような反動不況にはならないだろうとみている」
--政府が拡大を目指す「海外インフラ輸出」への取り組み、海外展開の方針は
「できる限り政府に協力したい。特に、当社が早くから進出した東南アジアや、実績のあるトルコ、カタールなど、サプライチェーンの確保や現地企業とのアライアンス(提携)が組める地域を重視したい。20年以降、国内の建設需要は急落しないまでも、人口減少が進むため現在以上に増えることはないだろう。海外も含めて強みを発揮していく必要がある」