ビール大手4社がまとめた平成28年のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)販売計画が8日、出そろった。市場規模は縮小する見通しだが、キリンビールを除く3社が前年実績を上回る強気の計画を示した。各社とも将来的に酒税の引き下げが見込まれるビールの販売強化を柱とする戦略を打ち出している。
8日に計画を発表したキリンビールは0・9%減の1億4060万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と唯一マイナスを予想。だが、全国47都道府県ごとに味わいが異なる地域限定ビール「47都道府県の一番搾り」を5月から順次発売するなどし、「今年はV字回復を本物にする」(布施孝之社長)。
業界最大手のアサヒビールは3月23日に「アサヒ ザ・ドリーム」を発売する。麦芽使用量を増やし、独自の製法で、コクとキレを両立したという。
サントリービールは高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」シリーズに新商品を設定。また、昨年9月に投入した普及価格帯のビール「ザ・モルツ」は730万ケースの販売を目指す。
サッポロビールは主力ビール「黒ラベル」に使用する麦芽を変更し、派生商品を投入する予定だ。