スマホや車載向け、ノートパソコン向けの中小型液晶で、JDIとシャープは韓国LGディスプレーに次ぐ世界2位と3位。単純に統合すると、特定製品のシェアが高まって独占禁止法に抵触する恐れがあるためJDIは取得する生産設備などを選別する可能性がある。
ただ、日の丸液晶が誕生したとしても、中国の液晶メーカーの設備増強がリスクとして待ち受ける。
供給過剰の波を乗り切れるか
中国の液晶最大手、京東方科技集団(BOE)は昨年12月、安徽省合肥で最先端の液晶工場を着工した。今後3年間で2兆円を投じて大量生産する態勢を構築する。すでに価格下落が激しい液晶でコスト競争を仕掛け、日韓台勢を追い上げる構えだ。
合肥で着工した工場で生産するのは、中国で需要が拡大する65型以上の大型テレビ向け液晶パネルだが、シャープも大型テレビ向けの亀山工場で中小型液晶の量産態勢を整えたことを考えると、需要動向で日の丸液晶連合のライバルとして立ちはだかることも考えられる。