そして、もう一つの課題は、従来の油圧ショベルより、価格が約1.5倍高い点だ。現在、同社全体の建機のうち、ハイブリッドの占める割合は、まだ1~2割程度。「ガスの排出を削減するため、国から補助金が出ているのに加え、設備投資減税の後押しもあり、利用が拡大している」(浦島浩次総務部部長)
ただ、同社では価格面を踏まえ、油圧ショベルからハイブリッドショベルに全体の半分まで置き換わるとは考えていない。あくまで同社の燃費を向上させる技術をアピールするフラッグシップモデルと位置づけている。このため、色も従来の黄色ではなく、赤とシルバーにした。燃費性能の高さや技術をアピールし、顧客の信頼を得て、シェア上位のメーカーに追いつく戦略を描く。
また、性能の高さを証明するため、省エネやデザインなどを評価する賞に応募し、実際に多くの賞を獲得。今後は各国の排ガス規制に合わせ、「さらに環境や燃費性能が向上するハイブリッドショベルを開発していく」(曲木主任技師)と意気込む。(黄金崎元)