--IT(情報技術)を使った保険への応用など、どういう構想を描いているか
「人工知能(AI)やビッグデータの活用によって、損保の商品・サービスは究極の汎用(はんよう)化とオーダーメード化ができる。保険ビジネスががらりと変わる事態を想定し、専門要員を育成する必要がある。三井住友海上キャピタルを通じてITベンチャーなどに出資し、われわれの保険への活用が見込めるようであれば、提携も含めて検討したい」
--自動車保険の収支改善が進んできた
「保険料引き上げなどにより、収益は回復した。ただ、17年4月に消費税率が10%に上がると、グループ全体で16年度比で180億円の減益が見込まれる。また、法定利率が下がると保険金支払額は増える。自動車保険事業に関しても、自動車部品の単価上昇など厳しい環境にある。引き受けるリスクをしっかりと見極め、防災や事故防止に取り組むことで、損害率は改善する。われわれ自身も効率化の努力を続けることで、値上げのトレンドを打ち止めにできるだろう」
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【プロフィル】柄沢康喜
からさわ・やすよし 京大経卒。1975年住友海上火災保険(現・三井住友海上火災保険)入社。経営企画部長、専務、社長などを経て、2014年6月から現職。長野県出身。